物書きは恥かき

始めより 終わりむつかし ひとの道・・・窓際の凡才ですが おもいきり 生きてます

わしづかみ

「あの ホワイトデーなんですけど」
 え? なに? ぼそぼそっと言われてもよくわからない。携帯電話だし。
「バームクーヘンのお返しですけど」
 あー そういえばバレンタインに送ったっけ。「札幌雪祭り」の焼き印がはいったルタオのを。
「ずっと前から用意してたんだけど、14日には間に合わないみたいで」
 いいよ、そんな気にしなくて。
「アンティークの鳩時計なんですけど。」
 え!? なに? ホント!?
「100年前のアメリカのを見つけたんで取り寄せてレストアしてるんです。ムーブメントは入れ替えて動くようにしたし、鳩もちゃんと出ます。塗り替えてきれいにしました」
 えー そんな そこまで手をかけてくれて どうしよう。。。塗り替えたって何色に?
「・・・・黄色です。だから鳩じゃなくてカナリアみたいだけど」
 いいじゃん 黄色w
「で、分銅が無いので作っているんですが、ホワイトデーに間に合わない」
 いいよそんな、いつでも。誕生日でもクリスマスでも、いつでもいいよ。
「だから写真だけでもメールで送ろうかと」
 要らない! 楽しみが減るから送らなくていいですw

 私は子供の頃から古くさいものが好きで、腕時計よりは懐中時計が好き。小学生の頃に母が「部屋に壁掛けの時計を買ってやる」といったので、分銅で動く本当の鳩時計を買ってもらって、30歳頃まで使っていた。その後、錆びたのか鎖が動かなくなったり、針も1本折れたりしていて、5年前から修理をお願いしていたのだけど、その代わりに100年も前のを用意してくれたんだ。。。

 たまのプレゼントに いつも 心をわしづかみにされる。
 そういうものを用意してくれる。
 私の好みをよく把握している。
 古い物が好きという 嗜好が似てるせいかもしれないが よく考えてくれているんだなと。
 感謝。
 同時に 私はそこまで考えてプレゼントしているだろうか。。。恥

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