物書きは恥かき

始めより 終わりむつかし ひとの道・・・窓際の凡才ですが おもいきり 生きてます

凍ったトイレ

12日のJAL始発便で北の大地入りをし、空港からすぐに地下の駅に降りて電車に乗った。
札幌に向かう途中、地上を走るようになると、普段より雪が少ない冬に見えた。
暖冬か?とおもいきや、母を連れて小樽の家に着いてみると、さすが北海道だと感じいった。

当然、家全体が冷え切っているので、とりあえず居間のストーブを焚き、焦げない位置に母を座らせ、二言三言会話したとき、ふと、自分の口から白い吐息が立ち上っているのに気がついた。
はぁ・・・と暖かい息をもらすまでもなく、ストーブの真ん前で普通にしゃべっているのに、その吐息が白くなる。
「まるで旭川だね・・」
と母と笑いつつ、台所とトイレの水道の元栓を開けに回った。

すると、、、、
トイレの便器にたまった水の様子がおかしい。
というか、、、これ、、、完全凍結している。。。
おしっこの暖かさでとけるような、生やさしい凍り方ではなさそう。
ストーブの上で暖まったやかんのお湯を注いでみる。
注いだ量がそのまま水面となって上昇してくる。
恐ろしい、、、、なんて恐ろしい光景だ。
注ぐのをやめて、じっとみつめる。
1センチたりとも減る気配がない。
もよおしたとき、私は寒い中を近くのコンビニへ走るとかなるにしても、母はどうする?可哀想な環境を強いることになる。
それに、このあと弟も来る。ほかに2人の家族も来る。
計5人がトイレ無しで、朝まで過ごせるわけがない。。。
う~む。。。

駅前のビジネスホテルを予約するか、、、
手稲の別邸に泊まるか、、、
朝里の親友宅に泊めてもらうか、、、
いまは・・・午後3時、、、 さーてどうする。。。
とりあえず、2階からポータブル石油ストーブを1台おろしてきて、トイレに向かって暖気を送るか。

そして、台所の水道で手を洗う。
冷たいどころか、刺さるような痛さだ。これは懐かしい。
まだガス湯沸かし器がついていなかった子供の頃、湯煎のお湯をもってくるのがおっくうで、蛇口の水だけで手を洗ったときに感じた水の痛さ。
これが北海道の冬の水だぜ(^_^) ムフフ なんて郷愁に浸っているどころではない。
気がつくと、流し台の水ためも凍っているらしく、排水が流れていかない。。。
まあ、どうせ料理はしないのだから、これはトイレほどのダメージではない。
とにかくトイレだ。
根気よく暖めるしかない。夜までに溶けなかったら外泊だ。

そして。
努力の甲斐あって、夜7時、おしっこ程度が流れるようになったころ、弟が到着した。
心身ともに疲れ切ってストーブの前で横になってた私に、
「何かやることないか?」と言ってくれたので、玄関前の雪かきを頼んだ。
続けて1人やってきたので、2人で雪をかいて車を停められるまでにしてくれた。

結局、トイレは、9時には大も許されるまでに開通。
台所も、流し台の扉を開け、ストーブの暖気を送り続けた結果、深夜0時には洗い物ができるようになった。
そして全てが普通の状態に整って、ほっと気の抜けたところに、最後の1人がやってきた。

北海道の冬は、やはり厳しい。
暖冬とはいえ、ストーブが無くても布団にくるまっていればなんとか寒さがしのげる関東とは比べものにならない。
灯油の高騰で困っている家庭は、少なくないのではないだろうか。
場合によっては、生きていく権利さえ脅かすのではないだろうか。
なんて余計なことまで考えてしまった寒波到来の小樽であった。

p.s. あとで、トイレ用の不凍液があると知った。次回はホームセンターで調達するぞ。

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