物書きは恥かき

始めより 終わりむつかし ひとの道・・・窓際の凡才ですが おもいきり 生きてます

医者もいろいろ

母が入所しているグループホームから、外部評価を受けるための利用者アンケートが来た。
現在はとても満足している。

・今までの4年間で3軒のホームにお世話になってきたが、その中で一番安心して母を任せておけるので感謝している。
・今のところ、普段の生活で怪我をする心配が無い。
・個室内の収納も広く、暖房も安心できる。
・居間、キッチンなどの共有スペースが広く、トイレの数も十分あり、設備が快適に整っている。
・ただし、おやつの味付けが砂糖で甘すぎる。たぶん若い職員が料理するせいではないか。認知症に砂糖とりすぎは良くないのでは?

そう。3軒目だ。
1軒目は、父が最後に入院していた小樽病院から近いことを優先して、若松町にした。
初めてだったこともあって、そのホームの質が良いのか悪いのかわからなかったが、家庭的な雰囲気で、職員が優しいし、話し相手になるお友達もできたこともあり、2年半ほどお世話になった。
ただ、大きな不満があった。
とにかく、医者に常時かからせたがった。
理由はいくつかあるのではないかとおもう。
いざ何かあったときにかかりつけていないとすぐに診て貰えないとか、提携している病院の収益寄与のおつきあいとか、職員の知識の少なさとか、もろもろだと思う。
血圧が高めだからと、月に2度ホームに回診に来ている市内でも大き目な内科のMつY病院の院長先生にお願いしたがり、やにむに薬を貰って服用させた。
しかし、どうみても正しくない計測方法で、気分が高揚した状態のまま、流れ作業のように数字を読んでは次の入所者の計測にかかる。
そして、医者の処方のとおり薬を飲ませて安心しているのだ。何かあっても責任が医者にいくから。
しかし、このMつY病院の院長というのが、私には医術より算術の方が達者なくせ者に見えた。
昔から両親はたまにお世話になってきた病院なのだが、病状などの話をきいてもどうも信用できない。むしろ、竜宮神社の宮司さんをやっているほんま先生という人が大変よく判断してくれて、父のときも母のときも、「ここの病院では対処できないから」と転院を勧めてくれた。特に母のときなどは、あのままだったら手遅れになったのではないかと恐ろしい。

弟も薬に頼るホームの方針に疑問を抱いていたので、他のホームに移すことにした。すでに父も他界して小樽病院に近い必要がなくなっていたし。
で、どこにしようかと考えたのだが、実家のすぐそばに小さなグループホームがあるのを知り、とにかく近いと便利だろうという理由でそこにした。
ところがだ。
ここが、質でいうと最低レベルで、そもそも経営者の心根に「福祉」とか「年寄りをいたわる」という気配がみえない。自分たちが収入を得て生活するために経営しているという雰囲気が漂っていた。
入所しているお婆さんたちはかならずエプロンを着て、まるで強制収容所のように、玄関掃除やトイレ掃除など、当番制で何かしらの労働をさせられていた。行事を催しても、入所している人たちのためというより職員の都合優先で、バスで遠出をするような行事ではホームを閉めて職員全員が出るので入所者も全員参加が前提。体調が良くない人がいたらどうするのだろうか。
そもそも、おばあさんたちの表情も暗かった。
また、ここのホームでも、とにかく医者にかからせたがった。しかも、行きつけの医者ではなく、必ず朝里の病院を指定する。何か約束事でもあるのだろうか、新しく病院を建てるから資金をかき集めてる?と勘ぐりたくなるほどだ。
建物そのものも狭くて暗くて設備が悪く、階段にも不安があり、入所して3ヶ月で他を探し始めた。

2軒も経験すれば、そこそこ事情に明るくなる。
これはと思うホームが実家の近くに見つかり、担当者と面談をし、これまでのホームで感じた不満を述べて、それらが解消されるような方針なのかどうかを確認し、看護婦さんも巡回しているというし、ここならばと納得したのだが、いかんせん満室で、同じ企業が入舟町に建設中のホームを9月に予約し、翌年2月のオープンと同時に入所した。
それが今のホームだ。
海が見える個室を真っ先に予約して、早々と引っ越した。
ただし、ここでも最初に内科医に関しては、非常に不愉快な思いをした。
長崎屋の近くにあるHんM医院という、父親の後継ぎらしい女医さんが、これまでになく最悪であった。
ひとことも任せるとも何とも言っていないのに、はなから介護保険主治医になったものだと決めつけて、「すべて知っておかなくてはなりませんから」と母が生まれた時からの細かな身上調書を延々と取り始め、やたら面倒な書類を次から次へと書かせにかかり、一方で、母を検査室に連れていって寒い格好で長時間放置するようなことをした。介護保険主治医はえちぜんや先生のままでよいのだ。

小樽のような老人ばかりの斜陽の田舎町では、こういう医者でもなんとかやっていけるのだろう。というか、算術ばかりの内科医に食い物にされている老人が少なくないのではないか。(いわば老人産業? 10年、20年後には日本全体がこうなるのか?)

「先生にはお願いしません、結構です」ときっぱり断って、「あんな、がらーんとした部屋にぽつんと寒かったよー」(軽い認知症だから、そこが親切か否かくらいはわかるのだ)とふるえる母を連れ帰った。

そんな事があってから1年が過ぎた。
血圧は、夜更かしした翌朝などたまに高いことがあるが、ホームの担当者や看護婦さんと相談して、私がもっとも信頼する脳神経外科のえちぜんや先生に、通院のついでに相談してもらっている。先生によると、この程度ならむしろ血圧を下げる薬は飲まない方がよい、とのこと。
でもいつか、先生の手に負えないような症状になったら、MつY病院でもHんM医院でもなく、父を札幌医大に転院してくれた済生会病院にお願いしてもらおうと思っている。

—————————と、ここからは、別の医者話。

医者は選びたい。

父とほとんど同じ歳の知人が2年前、診断と処方に納得できず、4軒も5軒も医者を代えた。
患者の顔もろくに見ず、脈ひとつとらず、パソコンにばかり向かってキーをたたく若い医者に憤慨していた。
もらった薬でかえって体調が悪くなり、自分で判断して服用をやめたら改善したともいった。
やはり、患者の身になって根本から考えてくれる医者じゃないと信頼できないのだろう。

自分も昨年までの2、3年間、内科、婦人科、皮膚科にかかった経験からも、医者はとことん選びたいと思う。手稲の渓仁会病院の診察券を持っているのは、そのためなのだから。
さいたまのS部総合病院の皮膚科で何度行っても薬が合わなかった皮膚炎が、渓仁会病院の皮膚科ではイッパツで治ったのには、驚いた。(というか、それが本来あるべき姿なのでは?)とにかく渓仁会病院の皮膚科の**先生は、話をしても納得がいく。
内科にしても、さいたまのS部総合病院よりは渓仁会病院の方が上に思える。
さいたまは東京に近いけれど、全てにおいてあまり質が良くないとも言われている。そうかもしれない。
婦人科は、都内の逓信病院が一番よかった。設備も、診断も確かだった。ただし、医者も看護婦もプライド高そうで印象良くなかったが。

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