物書きは恥かき

始めより 終わりむつかし ひとの道・・・窓際の凡才ですが おもいきり 生きてます

修復作業

ある人曰く
「ブランド品は高級品ってわけじゃない、ブランド品は高額品っていうんだよ。」
「貴重品とは、買った値段にかかわらず、その人にとって大切なもののこと。」

その通りだ。
そもそも「ブランド品だから」という基準だけでしか、ものの価値をはかれないという人とか、出身校や偏差値だけで能力を評価する人とは、私は会話が成立しない。

私の貴重品は、たとえば、3年ほど前に小樽の実家で見つけた祖父の革鞄。
見つけたとたん「あ、そういえば、子供の頃に見た覚えがある。こういうの欲しかったんだ」と即決。
A4ファイルに加えてB5ノートPCが電源コードや外付けHDD、モバイルルータなどと一緒に収まるサイズなので、これはいい物を見つけたとばかりに、さっそく使い始めた。
どこへ行くにも車に積んで出かけた。
例によって映子くんは、一目見るなり「な~~にさそれ、金田一耕助かい」と笑った。
やはり彼女にとっては、今の時代にはそぐわない価値の無いものらしい。

1年の半分は札幌小樽での生活だったし、ほとんど車での移動だったので、さほどの負荷はかからなかったはずなのだが、しかし、なにせ大正時代、ヘタをすると明治時代の生まれだ。
1年半ほどで、革の持ち手が取れた。
まるでエジプトのミイラを包んでいた布のように、縫い糸がぼろぼろに切れたのだ。

丈夫な糸をかってきて、すぐに修理しようかとも考えたが、見れば内張の絹の布地も色は褪せている上にぼろぼろだ。どうせなら、内張も張り替えようか。
布地は、、、、と見渡して、母が若い頃のスエードのコートが目に付いた。
これはどう転んでも誰も着ない。
ほぐしてなんとか足りるだろか。
関くんに相談すると、大丈夫でしょうとのこと。
で、彼に依頼したのだけれど、1年以上ほったらかされたままだった。
私も引っ越しだのなんだのですっかり忘れていて、落ち着いた頃に「そういえば、じっちゃんの鞄、どうしたっけ?」と思い出した。
そうそう。地下室で埃をかぶっているはずだ。
で、GWのミニディのついでに引き取ってきて、自分で何とかすることにした。
仕事の合間に、まずはコートをほぐした。
前身頃と後身頃にわけて、利用できそうな縫い目はそのままにし、鞄の内側に当てて生地が足りそうだとわかって、そこで中断。
約2ヶ月後、またまた仕事が一段落したときに、接着剤を検討した。
関くんがいうには、シリコン系のナントカいうのがいいとのことだけど、ホームセンターで探そう探そうと思ううちに3週間が経過した。

そして、ぽかっと時間が出来たので、手持ちの木工ボンドでいいやと、接着開始。
採寸して生地を切って貼るのではなく、貼りながら余分な生地を切っていくことにした。
まずは、簡単そうな蓋の面で試す。
中心部分から接着して、スエードの四方を裁断しつつ縁を折り込み接着。
一週間ほどして様子を見ると、ボンドでもいけるのではと思えたので、深い方の箱の底面部分だけを接着。
その一週間後に、四方の立ち上がり部分を接着。
蓋と同じように、端は余分な生地を裁断してから折り込んで接着した。
それが乾いてから、蓋と箱とのつなぎ目の処理。蓋の一辺からベロのように余らせていたスエードを、箱の立ち上がりへ橋渡しして接着した。

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なかなか よいではないか。
ベロの接着剤が乾いたら、持ち手を縫うぞ。
しかし、どの糸で。。。。
手持ちに丈夫そうな糸は無いし、買いにいかんとならんかのう。。。。
念のため、母からの刺繍糸の箱をまさぐっていると、なんと、麻糸を発見。
よくまあ、おあつらえ向きに在ったものだ。
何に使ったのだろう?
紫色だけど、まあ、いいか。
目打ちで穴を広げながら、ヌイヌイして、できあがり。
やった!
じっちゃんの鞄、復活だ\(^o^)/

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関工場長に仕上がりを見せたら、接着部分や縫い目をのぞきこみながら「いいじゃん」とOKくれました。

2週間ほど前に、金沢のガレージミニマムさんのオンラインショップで、半額セールで見つけた鞄もある。なんと、6480円だった。社長によると「赤字ですw」とのこと。
内張が綺麗で、外も傷みが少ない。ちょっと擦れた箇所にAppleのステッカーを貼った。

さあ。
明日から、サイズを使い分けて愉しんでいくぞ v(^_^)v

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